2013年01月04日
桐島、部活やめるってよ

監督:吉田大八
脚本:喜安浩平/吉田大八
撮影:近藤龍人
キャスト:神木龍之介/橋本愛/大後寿々花/東出昌大
去年公開の映画ですが、2012邦画で1、2位を争うくらい
面白かったので紹介します。
旦那があんまり勧めるのでギリギリ最終日に観に行って、
クソ、もう一回観たかったと後悔するほど面白かった。
長くなりそうなので言いたいことの要点をまとめておくと、
まず役者の演技がみんなすばらしかった。
そりゃあ1ヶ月もワークショップすればね…というのは
低予算映画サイドの僻(ひが)みとして(笑)
だって演技初めての東出昌大くんがこれだけ魅せてくれるんだもん。

しかしパリコレモデルからの転身って…23歳ですごい経歴。
村上春樹の主人公役なんてぴったり。
写真よりも映画の方が断然かっこいい。
あとは吹奏楽部役の大後寿々花も、
沙奈役の松岡茉優も女子では一番の好演だったし、
映画部のふたりもとってもかわいかった。
一番キャラが強烈なのは野球部のキャプテンだけど(笑)
これだけ登場人物がいてもキャラクターがみんな立っていて、
もちろんだからこそこの映画が群像劇として成立するのだけど、
これは脚本だけの成果ではなく、間違いなく監督の演出力と、
ワークショップの賜物でしょう。
生徒同士の会話がリアルで、冒頭の男子をからかうシーンとか、
「おっまた」とか、4人の女子の会話が(ほぼ沙奈の独り舞台だが)気味悪いくらい。
脚本はナイロン100℃の喜安浩平さんがベースを書かれたそうなので
これからチェックしていこうと思う。
シナリオについては評を避けますが、「現金に体を張れ」「パルプ・フィクション」の
同じ出来事を別の視点で描く手法(誰か名前を付けてくれ!)を用いたり、劇中に
出てくる映画の題名がいちいちハマったし、「鉄男」(しかもあのシーン!)を観る
シーンが出てきたり、原作では岩井俊二好きだった主人公がロメロ好きになってたりと、
マニアな映画愛が感じられて、いちいちニヤニヤしてしまった。
吉田監督、好きな映画は何ですか?
話を戻して撮影は山下敦弘監督作品の多くや「ウルトラミラクルラブストーリー」、
最近では「さや侍」を撮った近藤龍人カメラマン。
過去作も本作も特にこれといった印象に残った画があったわけではないし、
吉田監督自体もさほどカメラワークを重要視しているようには思えないけれど、
主観ショットの使い方やフィックスと移動ショット、あるいはアップか遠景かといった
バランスなどは観ていて気にならなかった。
もともと監督がCMディレクターを長くやられていたせいで、これまでの監督映画では
かなりCMっぽい絵が多くて個人的には鼻にかかっていたけれど、
本作では(過去作品に比べたら)だいぶCM臭さが抜けていたように思います。
それは近藤カメラマンのおかげかも知れない。
とにかく、あのラストに収束していくそれぞれの人物の思いは、
学生生活を送ったことのある誰しもに響くはず。
まるで、村上春樹の小説を読んでいるようでした。
あっぱれ!次回作も楽しみです。
Posted by henry at 02:54│Comments(0)